今回の記事は太陽光発電所のフェンス費用や単価で検索をしているとかなり曖昧な説明と料金のサイトが多かったので施工費や材料費、運送費などの費用を施工店サイドからなるべく分かりやすく解説していこうと思います。
目次
フェンスの設置に掛かる費用
まずは太陽光発電所のフェンスを設置する際に掛かる費用を大まかに分けるとフェンス、門扉、支柱などの商品代金とフェンスを運ぶ運送費、フェンスを施工する施工費(自分で設置する際は0円)と大まかに3つに分かれます。ネットでは、ほぼ商品代金の金額しか載っていないので実際に見積もりなどをお願いしてみると「ビックリする金額の見積もりがきた!」と思う方が多いのではないでしょうか?
フェンスの商品代金について
インターネットで太陽光発電所用でフェンスを探しているとメッキフェンスで1m1700円〜なんてサイトがあったり粉体塗装フェンスで1m2200円〜など様々な販売サイトがありますが、フェンスの支柱が別売りだったり網だけの販売価格で付属品全てが別売りだったりするサイトもちらほら。
太陽光発電所で使われるフェンスの種類
まずは主に太陽光発電所で使われるフェンスの種類から説明します。
メッキフェンス 特徴:溶融亜鉛メッキを網に塗膜するタイプのフェンス。害獣対策などで目にする事が多い。(ここでのメッキフェンスは結束線などでフェンスをラップするタイプの物です)
粉体などの塗装フェンス 特徴:一番太陽光発電所で普及しているフェンス。錆に強く見た目も綺麗。支柱一体型と分離型がある。溶融亜鉛塗膜タイプもあり、カラーフェンスとも言われます。様々な色から選択可能。
ロールフェンスやアニマルフェンス 特徴:運送費が一番安く、全フェンスの中でトータルコストは圧倒的に安くなる。強度や錆についてはもちろん一番弱く、費用だけ突出して安い。見た目や強度、耐用年数などを考えずに設置する場合は〇
各フェンスの商品単価
フェンスの種類 | 商品代金(1m単価) | 門扉(片開き1m) |
メッキフェンス | 2000円~3000円 | 7700円~45000円 |
塗装フェンス | 2200円~3000円 | 22000円~48000円 |
アニマルフェンス | 690円~1200円 | 11000円~52400円 |
ロールフェンス | 2000円~3000円 | 25000円~50000円 |
弊社で太陽光発電所のフェンス価格をインターネットで調べた際の参考価格は上記表の通り。ほぼ共通している事、当然ですが施工費は入ってません。
基本的に門扉は別売りで横1m縦1.2mの一般的な門扉で20000円〜50000円位。なかにはアニマルフェンスの門扉を5万円近くで販売している所もあり正直空いた口が塞がりませんでした。
ロールフェンスの網はアニマルフェンスとそこまで価格差はありませんが、支柱がステンレス製の物が多くm単価が高くなります。それに比べてアニマルフェンスのm単価が突出して安いです。表にしてみるとアニマルフェンス以外の商品単価はそこまで差がないのが見えてきます。しかし、この後説明する運送費用でフェンス費用の差がかなりでてきます。
運送費がフェンスによって全然違う!
ここからは運送費について説明していきます。フェンスにかかる費用で一番差があるのが運送費です。ここで大きく価格に差がでるので見積もりをとる際は注意が必要です。
フェンスの種類 | 運送費(100mの場合) |
メッキフェンス(ユニック) | 120000円~200000円 |
塗装フェンス(ユニック) | 120000円~200000円 |
ロールフェンス、アニマルフェンス | 0円~7500円 |
アニマルフェンスやロールフェンスの運送費は激安!
アニマルフェンスやロールフェンスは形状や大きさが小さいので大手運送会社によっての配送が可能です。そのため運送費も送料無料やかかっても1500円(20m単位)と激安。ただし現場への配送は断られる場合があるので注意が必要です。その際は自分で現場まで持って行くか、施工店に送って持って行ってもらうなどして対処しましょう。
メッキフェンスや塗装フェンスは運送費が激高!
対してメッキフェンスや塗装フェンスはヤマトや佐川急便などの大手運送会社が使えません。網の形状が2m×1mなど固定されているのでトラックでの運送会社を手配しなければならず、高額な運送費が必要となります。送料は仮に100m分のフェンスを頼んだ場合、地域や車種などにもよりますが平均して12万円〜20万円(ユニックで配送)と高額になります。4t車や大型車が入れない場合などはさらに費用が発生する場合もあります。
運送費が安くなるパターンは2つ。まずは配送地域が配送元から極端に近い場合です。燃料費や高速料金などが少ないほど運送費も当然安くなりますが、極端に近くない場合は、余り単価は変わらない場合がほとんどです。
次のパターンはユニック指定ではなく、平積みでもウィング車でも運送会社に任せるパターンです。この場合は2万円〜3万円前後、確実に安くなりますが注意が必要です。平積み車やウィング車で配送をかけた場合、荷受け人が荷下ろしをしなければならず人力作業であれば相当な時間と労力が掛かります。メガソーラーなどであれば荷受け用のリフトや重機が使える場合がありますが、低圧の太陽光発電所や個人で頼む場合は運送会社や施工店に後で高額な荷下ろし費用を請求される場合があるので注意が必要です。弊社でも手降ろしでの荷受けの場合は別途費用が必要ですので、基本的にユニックでの配送が一般的と覚えておきましょう。
施工費は基本的に差がない!
次に施工費用についてですが、かなり勾配がきつい斜面での施工や数百メートルを手運びしなければならないなどの特殊な状況でなければ、設置地域や材料ではほとんど施工単価の差がないです。
フェンスの種類 | 施工費(1m単価) |
メッキフェンス | 1200円~2000円 |
塗装フェンス | 1200円~2000円 |
ロールフェンス、アニマルフェンス | 1000円~2000円 |
施工店の立場から見ると、よほど特殊な現場でない限りフェンスの1m単価が1500円以上超える事は非常に稀です。なので基本的に施工単価は1000円~1500円を目安にしておけば問題ありません。
アニマルフェンスやロールフェンスは自分でやったほうがお得!
特にアニマルフェンスにおいてですが、経験上プロが施工しようと一般の方が施工しようと仕上がりに大差はありません。唯一差がでるとすれば網の張りやフェンスラインの美しさ程度で強度や全体の仕上がりにおいては大差がないです。
必要な道具も安く、ホームセンターで買い揃えれるので比較的簡単に施工できます。ロールフェンスもそうですがあくまでも簡易フェンスになるのでプロに施工をお願いするよりは自分で施工する方がお得と言えます。
メッキフェンスや塗装フェンスはプロに任せたほうがいい!
メッキフェンスや塗装フェンスは基本的にプロに任せたほうがいいです。理由はいくつかありますが、上記フェンスの基礎は基本的に地面に打ち込むタイプの杭になっているので、打ち込む機械がないと作業効率が非常に悪い事。フェンスラインや高さなどの仕上がり面でも素人工事とプロが工事した物では全然違います。塗装フェンスに関してはプロが施工した物は安価なフェンスに見えないほどの仕上がりになるので基本的にはプロに任せる事をおすすめします。
自分でやってみたい方や初めて施工する方は、打ち込みタイプのフェンス施工手順を記事にしていますので太陽光発電所での打ち込み式フェンスの施工手順をご覧ください。
フェンス費用の合計比較
ここまでの商品代金、送料、施工費を比較してみます。送料などは地域によって違いますのであくまでも概算での平均費用になります。
フェンスの種類 | 商品代金(1m) | 門扉(片開き1m) | 送料(100m) | 施工費(1m) | 合計(100m) |
メッキフェンス | 2200円 | 15000円 | 150000円 | 1300円 | 515000円 |
塗装フェンス | 2500円 | 30000円 | 150000円 | 1300円 | 560000円 |
ロールフェンス | 2500円 | 30000円 | 7500円 | 1100円 | 397500円 |
アニマルフェンス | 800円 | 11000円 | 0円 | 1000円 | 191000円 |
こうして比較してみるとアニマルフェンスが圧倒的に安く感じますね。ロールフェンスは送料が安い分メッキフェンスや塗装フェンスよりも若干安いです。アニマルフェンスに関しては、施工も素人の方でも出来るのでご自分で施工される場合はさらに安くする事も可能!
なぜブロック基礎のフェンスが無いのか?
ここまでのフェンス費用の比較にブロック基礎を使ったフェンスが入っていない理由ですが、太陽光発電所でのブロック基礎ありのフェンスは値段が非常に高くなり採算がほとんど合わないからです。基本的に太陽光発電所を設置される方の多くが投資目的の場合が多いので、発電量に関係のないフェンスにお金をかける方は非常に稀です。参考価格を出すと以下の通り。
フェンスの種類 | 商品代金(1m) | 門扉(片開き1m) | 送料(100m) | 施工費(1m) | 合計(100m) |
メッキフェンス | 6000円〜 | 50000円 | 0円 | 2200円 | 870000円 |
送料が無料になっているのは殆どの場合、商品代金に含まれている為です。施工費はブロック基礎代込み。商品代金と施工費を分離で出していますが、大半の施工店は材工と言って材料と施工をセットで行いますので実際に分離で施工を依頼した場合はかなりの確率で施工費はもっと高くなります。また少しの傾斜でも整地が必要な時もありその場合はさらに高額になります。
撤去費用を考えるとコンクリートブロック基礎は更に高額に!
さらに今の太陽光発電所は撤去費用の事も考えなければならず、土などの汚れが付着したブロックや鉄やアルミなどが混入しているコンクリートブロックは、そのままでは再生砕石などにリサイクルできず産廃扱いで処分時に引き取りを拒否される事も非常に多いです。ですのでブロック基礎を使ったフェンスを撤去する場合は他のフェンスに比べて非常に高額になります。逆に打ち込みタイプのフェンスは地面から引き抜いてスチールとしてリサイクルしますので実際に撤去にかかる費用は、ほぼ人工代(人件費)のみとなります。
最後に
今回は太陽光発電所でのフェンス費用を施工店サイドから比較してみましたがいかがだったでしょうか?
とにかく安くしたい!方は
フェンス費用をどうしても安く抑えたい方はアニマルフェンスを自分で設置するのが一番安く設置出来る!ただし注意も必要!アニマルフェンスやロールフェンスの網は非常に弱く、鹿や猪などの害獣タックルで一発KOされる事もあります。現状で太陽光発電所のフェンスを設置する際の基準は以下の通り
- 発電設備との距離は発電設備に触れられないようにする
- 高さは人が容易に侵入できないようにする
- 使用素材は容易に取り除けないものにする
- 出入口には施錠する
- 立ち入り禁止看板を見えやすい位置に設置する
上記赤字部分については以前はロールフェンスやアニマルフェンスが今後も継続して設置可能かの判断は自己判断になってきますので注意が必要です。
経済産業省に問い合わせても明確な返事はもらえません。以前はロープなどで囲いをすればいいと認識して簡易的な囲いをしている発電所もありましたが、現状は明確にNGになっていますので発電施設を囲うのに適切な物かどうかはよく考えて選定しましょう。
施工店から見たおすすめのフェンスは?
弊社では今までに、おそらく10000m以上太陽光発電所のフェンスを工事してきました。上記比較には無い公共事業で使われるネットフェンスや擁壁のフェンスなど、支給されて施工したフェンスは数え切れませんが耐候性(強度)や費用対効果で考えるならば、やはり塗装フェンスが一番いいです。ほとんどの塗装フェンスは中国産になりますがしっかりした物も多く見た目も美しいです。強度もしっかり考えて設計してあります。
比較対象としてメッキフェンス(結束線などで施工するタイプ)やロールフェンスを載せていますが個人的には仕上がりや耐候性(強度)を考えると論外です。ロールフェンスに至っては、このフェンスを使う理由が全く見当たりません。費用を考えるならばアニマルフェンスでいいでしょうし、強度に至っては塗装フェンスには全く及ばないので、個人的には一番選択する必要がないと思います。
よって上にも書いたように安くすませるならアニマルフェンスで設置、それ以外ならば塗装フェンスの一択だと思います。
施工店が提案する太陽光発電所のフェンスプラン
フェンスの費用を比較する記事を書いていて思ったのですが、フェンス費用はもっと安く施工できると感じましたので弊社でフェンスの施工プランを作ってみました!輸入物のフェンスになりますが、杭支柱分離タイプのフェンスなので見た目の美しさや強度もいいです。運送や施工も全て自社で致します。インターネット上ではこれ以上安い料金でできる会社はないと思うのでぜひ一考ください!
フェンスの種類 | 商品代金(1m) | 門扉(片開き1m) | 送料(100m) | 施工費(1m) | 合計(100m) |
塗装フェンス | 2390円〜 | 無料 | 50000円〜 | 1100円〜 | 399000〜 |
※商品代金は輸入品になるので為替レートで変動します。送料は近畿地域での算出になり配送地域によって変わります。施工費は傾斜がきつい場所や草刈りが必要な場合は別途必要な場合がございます。沖縄や離島地域の場合は要相談。門扉は片開き1m高さ1.2mの門扉1基が無料となり、大きさや数の変更がある場合は別途費用が必要になります。
日本全国での施工が可能です!塗装フェンスを平均単価1m4000円以下で施工できる会社は周りには無いのでかなり激安プランだと思います。フェンスの輸入販売、運搬、施工を自社で致しますのでフェンスに関して丸投げでもOKです。
詳しくは下記リンクからご参照ください!
場合によっては更に安くなる事もございますのでお気軽にメールまたはお電話にてご相談ください。