先日行った普通充電器(6kw)スタンドタイプの工事でめちゃめちゃ大変だった埋設工事があったので紹介したいと思います。EV充電器は宿泊施設や商業施設への導入も増加傾向にありますので、EV充電器スタンドの販売店や施工店の方も今回紹介する工事内容に似た状況に直面する事が今後多くなると思います。今後の参考になれば幸いです。
工事と工事内容
まずは今回の弊社で行った工事内容と状況を説明していきます。工事依頼を受けたのは、何度かお付き合いのある協力電気会社様でEV充電器の配線をするのに4〜5mの道路横断(私有地)をしなければならずFEP管(50φ)の埋設工事とEV充電スタンドの基礎工事と看板設置を依頼されました。
- EV充電器設置場所は大きな宿泊施設
- 工事内容はEV充電スタンドの基礎設置(2台分)
- 看板用ポール設置
- 埋設工事(私有地の道路横断で4〜5m)
- 埋設ルートは通行止め不可
- 埋設後にアスファルト舗装
- 工期は1日!(正気かよ)
- 雪が積もってる(寒い)
まず狂気の工期日程に関して説明すると、工事の話自体は協力電気工事会社様からいきなりお願いされた訳ではありません。着工日より約1ヶ月前位から話があり、こちらで現調もして日程も2日〜3日程度は掛かると伝え、後はいつ着工するのか?という状況だったのですが協力電気工事会社様のさらに上同士の話が纏まらず実際の着工日が完工予定日2日前と言う狂気の工事日程になりました。この2日間で電気工事まで完工しないと補助金がおりないらしく、実際に埋設や基礎工事に使える日程は実質1日となりました。こちら側に責任は一切ありませんでしたが、EV充電器の工事は補助金絡みの工事が多く、工期の遅れは多くの人にとって命取りになると思うので、頑張って対応することに。
基礎工事と看板設置
まずは難なく施工できた基礎工事と看板設置(基礎とポール)の工事内容から説明していきます。使った基礎は看板用、EV充電スタンド用共に二次製品(工場で作られたコンクリート基礎ブロック)です。基礎工事の流れとしては以下の通り
- アスファルトにカッターを入れて捲る
- 掘削
- 据付
EV充電スタンドの基礎工事をする場合、弊社では基本的に二次製品のコンクリートブロック基礎を使います。理由は施工スピードとコンクリート強度の観点からですが、説明すると長くなるでこの記事では詳しく書きませんが、自社での基礎工事を考えている電気工事店さんには各EV充電器スタンドの仕様にあったコンクリート二次製品を使う事をオススメします!
まずはEV充電スタンドの設置位置を確認し、墨出し後にコンクリートカッターでアスファルトを切断していきます。
アスファルト切断後に重機でアスファルトを捲ります。
後ろが土だったので重機で簡単に取れました。アスファルトの厚みが一部10cm以上あったので助かりました。
掘削は指定の深さまで掘削し(50〜60cmが多いです。)床に砕石を敷き転圧します。今回使った基礎はこんな感じです。こちらでのアンカー施工は無しでした。
この基礎ブロックを水平に設置してアスファルトと基礎の隙間にモルタルで化粧仕上げをすれば終了です。
工期がないので猛烈な勢いで電気工事が追いかけてきます!Web用の写真が全然撮れませんでした!
看板用の基礎は設置場所が土でしたので掘削、据え付け、モルタル埋めの流れですぐに終了!
他の基礎工事の記事は【全国対応】EV充電充電器(普通充電器)の基礎工事をしてきました!EV充電スタンドの基礎工事はお任せください!をご覧ください!
地獄の埋設工事
ここからは非常に難儀したFEP管の埋設工事について説明していきます。事前に現調に行っていたので、ある程度の工事内容は理解している状態です。まずは状況の再確認から
- アスファルト舗装の道路(4〜5m)への埋設は絶対に必要
- 埋設後にアスファルトで舗装
- 宿泊施設へのメイン通路になるので通行止め不可
上記が事前に工事着工前に解っていた内容になります。配線上、駐車場から宿泊施設へ行くメイン道路を絶対に横断しなければならず、埋設後にアスファルトで舗装する事も確定していました。次に現調時に弊社で判断した工事の留意点。
- 埋設予定道路横に大きな側溝がある
- 埋設予定道路に明らかに汚水管が入っている
- 汚水管ルートのアスファルト舗装が比較的新しい。
現調時点で比較的新しい舗装に沿って汚水蓋が点在していたので、埋設ルートに汚水管がある事はこの時点でほぼ確定。汚水管の深さは私有地の為不明。
道路横の側溝の深さは内部で70cm幅が50、60cmだったのでこの時点で自由勾配側溝(VS側溝)がほぼ確定。U字溝と違い自由勾配側溝は、深さの種類が非常に多くあります。なので側溝の外周の高さはある程度の予測しか出来ない為、実際に掘削してみないと判断できない側溝になります。
工事当日に元請様立ち合いの元、埋設ルートを決定。工事日は偶然なのか計らいかは不明ですが宿泊施設の休館日でした。一つの問題点であった車両通行を気にすること無く工事が出来るのは非常にありがたい!当日決まった埋設内容が以下の通り。
- FEP管は側溝の下を通す
- 埋設深さは最低30cm以上の深さに
- 配管を避ける
- 埋設後にアスファルト舗装
道路と側溝両方を跨ぐ形の埋設となりました!埋設の深さについては側溝の下を通すので確実にクリアできるので問題無し!
いざ埋設工事へ!
この埋設工事の一番の難点は側溝の下を貫通させ配管を通す作業です。上でも説明しましたが自由勾配側溝は掘ってみないと底までの深さが確定しません。内底が70cmだったので運が良ければ80cm位で悪ければ150cmなんて事もありえます。さらに側溝を抜けた先に汚水管があるのは間違いないので、いささかハードな工事内容となりました。
まずはアスファルトのカッター入れからやっていきます。
アスファルトを捲ると・・・いきなりトラブル発生!アスファルト下から厚さ20cm〜30cmのコンクリート土間が出てきました!もう笑うしかありません。
おそらく昔に使用していたメイン通路かと思います。幅が2m〜3m位でしたので道を拡幅する時に撤去せずに上から舗装して道幅を拡幅したんだと思われます。当然このままでは埋設できないので、すぐさまエアーブレーカーをリースし削る事に。
なんとか削りきって掘り進めると・・・
配管オールスターズ登場!
約60cm位の深さで配管発見!でも何か汚水管にしては細い気が・・・さらに掘り進めると・・・電気・ガス・水道・汚水みーんな出てきたよね!うん。
これはきつい!何がきついかと言うと当然配管周りは重機での掘削ができません。側溝の底はまだ下にあるので、ここからは全て人力で掘り進めなければいけない所です。狭いので作業できる人数も側溝の反対側を含め最大2人と人海戦術も無理です。
側溝の底までどれ位の深さか不明だったので恐怖を感じていましたが、地面から80cm位で底が見えました。十分深くて大変ですが1m位まで覚悟していたのでよかったです。後は人力で貫通させて、なんとか地獄の作業は終了!
50φのFEP管1本の為にここまでやってます!
アスファルト舗装
FEP配管を埋設したら舗装作業スタート開始!まずは埋戻した場所をタンピングランマーでひたすら転圧し締め固めます。ランマーで締め固めた後に砕石を敷きプレートで転圧をし下地を作ります。
後は合材屋さん(プラント)にアスファルトを引取りに行き敷いていきます。
冬場なので冷めないようにバーナーとか準備してましたが、奇跡的に超近くに合材屋さんがあって温度管理の心配がなくなりました。余談ですが合材屋さんでアスファルトを仕入れる時は、ほぼ全ての合材屋さん(プラント)に最低引取り量というルールがあります。どれだけ少なくても500kg以上(もっと多い所もあります)は引き取らないといけません。今回の舗装ではそんなに使うことは無いんですが、500kgを積み込んで来てます。
敷き均してプレートで転圧をかけ終了!本来であれば2〜3日程かける工事でしたが何とか1日で終わらせる事ができました!
まとめ
販売店さんや施工店さんがEV充電器スタンドの工事に関わる場合は、今後似たような状況にいずれ必ずぶつかると思います。今回のような埋設工事の場合はガチガチの土木作業なので、自社で施工できる電気工事店さんは非常に数が少ないと思います。EV充電器の施工店の大半が電気工事店さんだと思いますので土木視点での記事を書いてみました!
今回のような状況になって自社で施工出来ない場合は、施工地域の舗装会社・土木工事会社さんに相談するのがいいでしょう!もちろん弊社への相談でも大歓迎です!
施工エリアは全国対応しておりますので、EV充電器スタンドの基礎工事や埋設工事の事ならお気軽にご相談ください!
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